SIGEP World 2026 現地視察レポート
日本の原料・菓子・パン業界に、欧州進出の余地はあるか
2026年1月、イタリア・リミニで開催された SIGEP World 2026 を現地で取材しました。ジェラート・チョコレート・ベーカリーなどを扱う、ヨーロッパ最大級のお菓子・デザート国際見本市です。 会場で実際に見たトレンド、主催者へのインタビュー、そして日本企業にとってどこに参入余地があるのかを、 日本語でまとめています。このページはその要点です。
SIGEP World 2026 の開催実績
会期:2026年1月16日(金)〜20日(火)/会場:リミニ・エキスポセンター/主催:Italian Exhibition Group(IEG)/
対象:食品サービス業界の専門家・バイヤー・出展企業(一般来場不可)。ゲスト国はインド(公式代表団+トップバイヤー50名)。
出典:SIGEP World 2026 現地視察レポート(2026年1月・現地取材)/主催者公式資料(SIGEP World Facts & Figures, 2026 edition)
会場で見えた4つのトレンド
レポートでは、味覚・素材・体験・持続可能性の4つの軸で、実際の出展製品を挙げながら傾向を整理しています。
インドの伝統菓子から着想したジェラート、南米のフルーツを使ったソルベなど、 既存の味を組み替えて新しい体験をつくる動きが目立ちました。柚子フレーバーのジェラートもそのひとつです。
植物性ミルクのジェラート、砂糖不使用・ラクトースフリーの明示など、選択肢を広げる設計が広がっています。 麹で発酵させた植物性甘味料が公式アワードで入賞するなど、日本的な発酵の価値が国際的に評価される場面もありました。
AI制御の全自動マシンを積んだ移動式カフェなど、機器単体ではなく「提供プロセス全体」を設計する提案が登場しています。 人材不足やスキル格差への回答という側面もあります。
カプセル不要のエスプレッソシステムが公式アワードのサステナビリティ部門で1位を獲得。 廃棄削減と品質の両立が、差別化ではなく前提として扱われ始めています。
日本企業にとっての参入余地
会場全体には強いイタリア色があります。一見すると参入障壁に見えますが、 これは「品質」「専門性」「文化的背景」が正しく評価される市場であることの裏返しでもあります。 レポートでは、日本企業に可能性がある領域を4つのカテゴリーに分けて整理しています。ここではそのうち2つを紹介します。
柚子は「珍しいアジアの素材」ではなくなっていた
柚子を使った製品・ブースが複数確認できました。注目したのは、柚子が物珍しさではなく 高付加価値の風味素材として自然に受け入れられていたことです。 市場の側がすでに日本由来の原料の価値を理解していて、かつ求めている状態にあると見えました。 産地・安定供給・加工技術を持つ日本企業にとっては、むしろここからが本番と言えます。
ピザ分野は「完成品メーカーでなくても参加できる」構造だった
会場では、ピザ生地用の小麦粉、チーズ、トマトソースといった基幹原料から、ツナなどのトッピング素材、 さらに専用オーブンや窯のメーカーまでが並んでいました。つまりSIGEPのピザ分野は 「完成したピザを売る場」ではなく、「どの工程・どの役割で参加するかを選べる市場」です。 製粉・加工技術、水産加工品、発酵や冷凍・保存の技術、省エネに効く機器や部材—— 日本企業が従来から強い領域が、そのまま産業の一部として組み込まれる余地があります。
レポート本編では、このほかコーヒー/飲料カテゴリー(抹茶・日本茶の可能性)と、 香り・体験系プロダクトについても取り上げています。
主催者に聞いた「日本企業をどう見ているか」
主催者である Italian Exhibition Group にも直接話を聞いています。 日本企業の参加を「非常に重要」と位置づける理由として挙がったのは、 イタリアと日本の食文化的な親和性と、 日本企業の品質に対する国際的な評価の高さの2点でした。
一方で、こういう指摘もありました。日本製品への注目は当分続くと見ているが、
ある時期を過ぎれば頭打ちになることも予想している——。
これは日本製品が否定されるという話ではなく、「日本だから売れる」フェーズが永続しない、という冷静な市場認識です。
動くべき時期についての示唆として、レポートの中でも重く受け止めています。
インタビューではこのほか、ジェラート市場の規模(欧州で7万店弱、うちイタリアが約4万店)や、 ピザ市場の広がり方についても具体的に語られています。全文はレポートに収録しています。
レポート全文に収録している内容
このページで触れた各トレンドについて、出展社名・製品名・何が新しかったのかを個別に記載しています。
ジェラート/コーヒー・飲料/ピザ/その他の4カテゴリーについて、日本企業がどこで関与できるかを整理しています。
日本企業に薦める理由、欧州での日本製品トレンドの見立て、出展検討企業へのメッセージまで。
ブースや製品の様子を撮影した写真を収録しています。
SIGEP World 2027 への出展をご検討の方へ
次回の SIGEP World 2027 は 2027年1月23日(土)〜27日(水)、イタリア・リミニで開催されます。
株式会社すけっと/合同会社International Linkage は主催者の正式代理店として、日本企業の出展をお手伝いしています。
会期・会場・出展料などの詳細は
イタリアの食品展示会 SIGEP World 2027 出展案内
をご覧ください。
このほか
イギリスの食品展示会 IFE 2027、
シンガポールの食品展示会 SIGEP Asia 2027
の出展もお取次ぎしています。
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