カテゴリー: 出展ガイド

  • 【2026年度】海外展示会の補助金・助成金|JETRO・東京都・大阪・愛知の制度と申請の流れ

    この記事でわかること

    • 海外展示会の出展費用に使える補助金・助成金の種類(国・自治体)
    • JETRO(新規輸出1万者支援プログラム・展示会出展支援)の中身と申し込み方
    • 小規模事業者持続化補助金・新事業進出・ものづくり商業サービス補助金(グローバル枠)の使いどころの違い
    • 申請の流れと、間に合わなくなりやすい注意点
    • 制度を併用する際に確認すべきこと

    3行まとめ:海外展示会の出展費は、①JETROの出展支援(ジャパン・パビリオンへの割安な出品料での出展)、②国の補助金(小規模事業者持続化補助金・新事業進出・ものづくり商業サービス補助金のグローバル枠)、③自治体の助成金・補助金、の3層で使える制度が異なります。募集期間は制度によって数週間から数カ月までまちまちで、多くは「事後精算(先に自社で支払い、後日振り込まれる)」が基本のため、出展を決めたら展示会の申込と同時に制度の締切も確認するのが安全です。なお、自治体の制度は今年度すでに受付を締め切ったものも多くあります。制度は年度ごとに内容・予算が変わるため、本記事の数値は必ず公式サイトの最新情報と照合してください。

    東京ビッグサイトの展示ホール通路
    Photo: Stck w / Wikimedia Commons (CC BY-SA 4.0)

    補助金と助成金の違い

    「補助金」と「助成金」は日常的にほぼ同じ意味で使われますが、制度上は運用の傾向が異なります。補助金(小規模事業者持続化補助金など経済産業省・中小企業庁系)は予算上限があり審査を経て採択されるため、応募しても不採択になることがあります。「助成金」という名前の制度でも、東京都中小企業振興公社の展示会出展助成事業のように要件審査や予算上限があり、受付期間中でも予算に達すると締め切られるものが多く、要件を満たせば必ず受け取れるとは限りません(要件を満たせば原則受給できるのは、主に厚生労働省の雇用関係助成金です)。どちらも「先に自社で支払い、事後に補助分が振り込まれる」精算払いが基本で、展示会の出展料を制度のお金で立て替えてもらえるわけではない点は共通の注意点です。

    JETROの主な支援策

    新規輸出1万者支援プログラムは、経済産業省・中小企業庁・JETRO・中小機構が一体となって新たな輸出への挑戦を支援するプログラムです(出典:経済産業省「新規輸出1万者支援プログラム」施策紹介資料(2026年1月))。輸出経験がある企業も対象で、登録は無料です。登録後、JETROが電話またはオンライン面談で輸出の希望を確認し、商社マッチング、国内外の商談会・展示会、越境EC、ハンズオン支援など、現況に合った支援策が提案されます(出典:JETRO公式サイト「新規輸出1万者支援プログラム」)。農林水産物・食品の輸出に取り組む事業者向けには、2026年4月に経済産業省・農林水産省・中小企業庁・JETRO・中小機構による「日本の食輸出1万者支援プログラム」も始まっており、新規輸出1万者支援プログラムと連携しています(出典:JETRO「日本の食輸出1万者支援プログラム登録開始」)。

    もう一つが展示会・商談会への出展支援です。JETROが年間を通じて対象見本市を選定し、ジャパン・パビリオン(日本企業共同ブース)を設置します。条件は見本市ごとに異なりますが、中小企業向けには割安な出品料が設定されており、出品料には通常、スペースのほか基本的な装飾・備品、出品者カタログ、来場者誘致・広報、清掃などが含まれます。一方、通訳・アシスタントの雇用費(一部の見本市ではJETROが有料オプションで手配)、渡航費、輸送費・通関費、追加装飾などは原則として出展者の負担です(出典:JETRO「初めての海外見本市のために~出展のポイント~」)。対象見本市はJETROの展示会・商談会のページで公開されています。IFE・SIGEP World・SIGEP Asiaが対象になるかどうかは、出展を検討している年のJETROの展示会情報で確認してください。

    JETROのパビリオン出展は、出展者に現金を支給する補助金ではなく、割安な出品料で出展できる仕組みです。国・自治体の補助金と組み合わせる場合は、後述の「併用できる制度」のとおり制度ごとの制限があるため、事前の確認が欠かせません。

    国の補助金(小規模事業者持続化補助金・新事業進出・ものづくり商業サービス補助金)

    小規模事業者持続化補助金(一般型・通常枠)は、常時使用する従業員が商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)で5人以下、宿泊業・娯楽業と製造業その他で20人以下の小規模事業者が対象です。補助対象経費には「展示会等出展費」(出展料に加え、関連する運搬費・通訳料・翻訳料)と「旅費」(展示会場との往復を含む販路開拓のための出張)が含まれます。補助率は2/3(賃金引上げ特例の赤字事業者は3/4)、上限は50万円で、インボイス特例・賃金引上げ特例の要件を満たすと上限が上乗せされ、最大250万円になります。GビズIDプライムを取得し、経営計画書を電子申請システムで作成、商工会・商工会議所に事業支援計画書(様式4)の発行を依頼したうえで申請します。第20回は申請受付が2026年11月5日〜12月15日17時、様式4の発行受付締切が12月4日で、次回以降の公募日程は未発表です(出典:第20回公募要領(第8版)。事務局は商工会議所地区と商工会地区で分かれています)。

    注意したいのはスケジュールです。第20回は採択発表が2027年3月頃の予定で、交付決定までには採択発表からさらにおおむね1〜2カ月かかる場合があります。請求書の発行日や出展料の支払日が交付決定日より前の展示会出展費は対象外(出展の申込みだけなら交付決定前でも可)のため、2027年春までに出展料を支払う展示会(例:SIGEP World 2027〈2027年1月〉、IFE 2027〈2027年4月〉)には事実上使えません。夏以降に開かれ、出展料の請求・支払いを交付決定後にできる展示会(例:SIGEP Asia 2027〈2027年7月〉)であれば候補になります。上限50万円(補助率2/3)は、条件が合えば海外展示会1本の出展費の一部を賄う規模です。

    ものづくり補助金は第23次(2026年5月8日締切)以降、新しい公募回は発表されておらず、2026年度は新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の「グローバル枠」が実施されています。補助率は中小企業者(小規模事業者・再生事業者を含む)で2/3、補助上限は従業員規模に応じて2,500万〜7,000万円(賃上げ特例で最大9,000万円)、補助下限は750万円です。グローバル枠では機械装置・システム構築費か建物費のどちらかを必ず補助対象経費に含める必要があり、海外旅費は補助対象経費総額の1/5以内(1人あたり最大50万円)、通訳・翻訳費は上限30万円です。第1回公募は2026年9月30日に申請受付を開始し、締切は10月30日18時です(当初予定の8月31日受付開始・9月30日締切から延期)(出典:新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 公式サイト、第1回公募要領(1.3版)、ミラサポplus)。

    展示会の出展費は「広告宣伝・販売促進費」に含まれ、上限は事業計画期間1年あたりの、補助事業で新たに製造等する製品等の売上高見込み額(税抜き)の5%です。また、交付決定後の発注・契約が前提で、出展の申込みだけを先に済ませてよいという例外はありません。第1回の採択発表は2027年1月頃の予定で、交付決定はその後の交付申請を経てからになるため、SIGEP World 2027(2027年1月)やIFE 2027(2027年4月)の出展費に使うのは現実的ではありません。付加価値額の年平均成長率4.0%以上などの数値目標が要件で、設備投資や新製品の海外展開を伴う事業計画が前提のため、「展示会に出るためだけ」に使う制度ではありません。

    自治体の制度例

    都道府県・市区町村やその関係団体も、独自に海外展示会出展の助成制度を設けていることがあります。例えば東京都中小企業振興公社の「展示会出展助成事業」は、都内に本店または支店登記のある中小企業者向けに、海外を含むBtoB展示会の出展費用(出展小間料・資材費・輸送費など)を助成率2/3以内・上限150万円で助成する制度です(2026年度。出典:東京都中小企業振興公社公式サイト。募集時期・助成額は年度ごとに見直されるため、申請の際は最新の公募要領を必ず確認してください)。同様の制度は東大阪市・堺市など市単位や、地域の産業振興財団などでも設けられていることがあります(大阪府の補助金は国内展示会のみが対象です。詳しくは次の節)。制度の有無は「自社の本店所在地+海外展示会+助成金」で検索するか、地元の商工会議所・産業振興財団の窓口に問い合わせるのが確実です。

    東京都・大阪・愛知で使える海外展示会の補助金(2026年度)

    自治体の制度は本店所在地で使えるものが決まり、年度ごとに名称・補助率・上限額が見直されます。ここでは問い合わせの多い東京都・大阪・愛知について、2026年度(令和8年度)の公式情報をもとに、海外展示会の出展費用に使える制度を整理しました。すでに受付を終えた制度も多いため、来年度の準備の目安としても参考にしてください(2026年10月1日確認)。

    東京都:展示会出展助成事業(東京都中小企業振興公社)

    東京都中小企業振興公社の「展示会出展助成事業」は、都内に本店または支店の登記がある中小企業者(個人事業者は都内で事業を営んでいること)が、商談を目的とするBtoB展示会に出展する費用を助成する制度で、海外展示会も対象です。業種の限定はなく、2026年度は助成率2/3以内・上限150万円で、2026年4月から2027年1月まで毎月1日〜14日前後に(全10回)申請を受け付けています(受付期間中でも予算に達した時点で締切)。

    申請には次の要件があります。①都内の商工会議所・商工会などが実施する「無料経営分析」を受け、その経営分析報告書を提出できること(必須)、②直近決算で売上が前期より減少している、直近決算で損失を計上している、所定の支援(グロースサポート)の証明書を提出できる、のいずれかに該当すること、③直近2期分の確定申告書類を提出できること。申請はJグランツの電子申請のみで、GビズIDプライム(発行に2〜3週間)が必要です。

    交付決定は申請した回の翌々月1日で、その翌月1日以降に会期がある展示会が対象です。たとえばSIGEP World 2027(2027年1月)で使う場合は第7回(2026年10月1日〜14日)が最後の申請機会で、10月14日16時の締切までにGビズIDプライムと経営分析報告書がそろっていることが前提です。第7回の交付決定日は12月1日で、それより前に支払った前金などは対象外になるため、主催者に支払時期を確認しておく必要があります。交付決定後には事務手続き説明会(第7回は12月8日)への参加が必須で、同一年度の申請は1事業者につき1件までです。IFE 2027(2027年4月)は第9回(12月1日〜14日)または第10回(2027年1月1日〜14日)が候補です。小間の申込(契約)は交付決定前でも対象になりますが、出展と支払いは交付決定後の助成対象期間内に行う必要があります。複数の企業で1つの小間を使う共同出展や代理出展は対象外で、申込から支払いまで自社名義で主催者に対して行うことが条件です。海外展示会の小間料は、主催者が認める代理店経由での申込・支払いも対象とされています(要項)。経費は原則として代理店を介さず直接発注・契約し、助成事業者名義の口座から支払う必要があり、国内取引で代理店を介した経費は対象外です。また、助成対象経費に関わる事業者(外注先など)とその従業員は、Jグランツでの代理申請を請け負うことができません。また、同じ展示会・経費について国や他の自治体などの助成を受けないことも要件です。

    同じ公社の「市場開拓助成事業」(助成率1/2以内・上限300万円、海外展示会の通訳費も対象)は、都や公社の支援・認定を受けた製品や、成長産業分野の製品に対象が限られる制度で、2026年度の申請受付(5月15日〜5月29日)はすでに終了しています。このほか公社は、海外販路開拓支援の一環として海外展示会への共同出展(2026年度はREHACARE・WHX Dubaiなど)も募集しています。

    項目展示会出展助成事業市場開拓助成事業
    実施機関東京都中小企業振興公社東京都中小企業振興公社
    対象都内中小企業者(業種不問・海外展示会含む。所定の経営分析の受診、売上減少・損失計上・グロースサポート証明のいずれかなどの要件あり)都・公社の支援製品、または成長産業分野の自社製品を持つ都内中小企業者
    助成率2/3以内1/2以内
    上限額150万円300万円
    対象経費出展小間料・資材費・輸送費・EC出店初期登録料、印刷物・動画・広告・サイト制作費(小間料またはEC登録料の申請が必須。交通費・宿泊費は対象外)出展小間料・資材費・輸送費・通訳費(海外展示会のみ)、EC出店初期登録料・サイト制作・印刷物・動画・広告費
    公募時期(2026年度)2026年4月〜2027年1月の毎月1日〜14日前後(全10回、各回最終日16時締切。予算到達時点で締切)2026年5月15日〜5月29日(受付終了)
    公式リンク令和8年度 展示会出展助成事業市場開拓助成事業

    大阪:府の補助金は国内展示会のみ。海外は大阪産業局の共同出展と市の制度

    大阪府の「中小企業展示商談会出展支援事業費補助金」(補助率2/3・上限200万円)は、対象が日本国内で対面開催される展示商談会に限られており、海外展示会には使えません(2026年度は8月12日に予算上限に達し受付終了)。海外展示会では、大阪産業局が海外の見本市に「大阪産業局ブース」を設けて府内に事業所を持つ企業(中堅・スタートアップを含む)の共同出展を募っており、2026年度はマニュファクチャリング・インドネシア2026(参加費1社30万円で、小間・共通装飾・共有の通訳を含む。募集終了)などが実施されています。

    市の単位では、東大阪市産業創造勤労者支援機構が、市内の製造業(自社で企画・設計・研究開発を行うファブレス形態を含む)の中小企業を対象に、海外展示会の出展小間料を全額(単独出展は上限100万円)助成しています。ただし要領上、対象は「工業製品を主とする展示会」で、1日あたりの来場者予想が1,000人を超える商談目的のものに限られています。この文言からすると、食品見本市は対象になりにくいと考えられます(個別の可否は機構に確認してください)。第1次募集は過去3年間に海外展示会への出展実績がない企業が対象で、3年連続の交付は受けられません。堺市も海外展示会の小間料・装飾費・輸送費・通訳翻訳費などの30%(上限30万円)を補助していますが、2026年度分は予算上限に達して受付を終了しています。大阪市には文化分野に限った「文化等海外ビジネス展開促進事業補助金」がありますが、海外展示会の出展費を業種を問わず補助する制度は確認できませんでした。

    項目大阪産業局 海外展示会への共同出展東大阪市 海外展示会出展支援助成金堺市 グローバル展開促進事業補助金
    実施機関大阪産業局(国際ビジネス支援チーム)東大阪市産業創造勤労者支援機構堺市
    対象府内に事業所を持つ企業(中堅・スタートアップを含む。展示会ごとに分野を指定)市内に所在地または主たる生産拠点を持つ製造業の中小企業(1年以上操業)。工業製品が主で1日の来場予想1,000人超の展示会に限る市内に本社機能を持つ中小企業
    補助率補助金ではなく、ブース参加費を払って共同出展する形式10/1030%
    上限額―(例:マニュファクチャリング・インドネシア2026は参加費1社30万円)単独出展100万円/共同出展30万円30万円
    対象経費参加費に小間・共通装飾・共有通訳などを含む(渡航費等は自己負担)単独出展は出展小間料のみ(出張費・装飾費・通訳手配費は対象外)、共同出展は参加にかかる経費小間料・展示装飾費・商品輸送費・通訳翻訳費・外国語印刷物の制作費
    公募時期(2026年度)展示会ごとに募集第1次2026年8月3日〜、第2次9月1日〜(先着順・予算上限で終了)受付終了(予算上限)
    公式リンク海外展示会・商談会・セミナーの実施海外展示会出展支援助成金堺市グローバル展開促進事業補助金

    愛知県:海外販路開拓支援事業補助金と愛知県ブース

    愛知県の「海外販路開拓支援事業補助金」は、米国の関税措置の影響を受けている(または受ける見込みのある)県内の中小・中堅企業が、日本と米国以外で開かれるBtoB展示会(会期が現地時間で2026年4月1日〜2027年2月28日のもの)に出展する費用を補助する制度です。特定の業種に限らず幅広い産業分野が対象で、2026年度は補助率2/3・上限50万円、対象経費は出展料(小間料・出展登録料)と装飾・備品代でした。募集期間は2026年3月27日〜5月15日で、交付決定は2026年7月上旬頃の予定とされていました。

    補助金とは別に、愛知県は海外展示会に県ブースを設けて共同出展企業を募ることがあります。2026年度はフランス・リヨンの産業展示会「グローバル・インダストリー2027」の県ブースで、出展料とブース共通装飾費を県が全額負担する形で、県内の製造業・ソフトウェア業の企業を募集しました(申込は2026年9月30日で締切)。名古屋市については、海外展示会の出展費を補助する制度は確認できず、2026年度はASEAN4カ国の企業との商談会を無料で伴走支援する「中小企業海外展開支援事業」が実施されています。

    項目愛知県 海外販路開拓支援事業補助金愛知県ブース(グローバル・インダストリー2027)名古屋市 中小企業海外展開支援事業
    実施機関愛知県(運営:愛知県アジア展開支援事業実行委員会)愛知県名古屋市
    対象米国関税措置の影響を受ける(見込みを含む)県内中小・中堅企業。日本・米国以外で開かれるBtoB展示会(会期2026年4月1日〜2027年2月28日)県内に本社または主たる事業所がある製造業・ソフトウェア業の企業(10社程度)市内に本社または事業所があり、1年以上事業を営む中小企業(5社)
    補助率2/3出展料・共通装飾費を県が全額負担補助金ではなく、商談会の開催と伴走支援(無料)
    上限額50万円――
    対象経費出展料(小間料・出展登録料)、装飾・備品代出展料・登録料、ブース共通装飾(旅費・輸送費・個別の通訳費は自己負担)渡航費・宿泊費・サンプル輸送費などは参加企業の負担
    公募時期(2026年度)2026年3月27日〜5月15日(受付終了)2026年9月30日締切(受付終了)2026年5月11日〜6月5日(受付終了)
    公式リンク海外販路開拓支援事業補助金の募集グローバル・インダストリー愛知県ブース令和8年度 中小企業海外展開支援事業

    東京都の展示会出展助成事業は2027年1月まで申請を受け付けています(予算到達時点で締切)が、大阪府・愛知県の制度は春〜夏に募集が始まり、予算上限で早めに締め切られる傾向があります。2027年度に海外展示会への出展を考えている場合は、年明けから各自治体の発表を確認しておくと安心です。制度の内容・補助率・上限額・締切は年度ごとに変わるため、申請の際は必ず各公式サイトで最新の公募要領を確認してください。

    申請の流れと注意点

    1. 出展したい展示会を決める(本サイトのIFE・SIGEP Worldなど)と同時に、対象になりそうな制度を2〜3個リストアップする
    2. 公募要領で締切・対象経費・補助率を確認する。展示会の申込締切より制度の締切が先に来ることが多く、逆算が必要
    3. 事前相談・事業支援計画書の発行が必要な制度(持続化補助金など)は、商工会・商工会議所に早めに相談する(様式4の発行受付締切は申請締切より前で、第20回は2026年12月4日)
    4. 交付決定後に支払い・出展を行う(どの日付〈申込・契約・請求書・支払い・出展〉が基準になるかは制度ごとに異なる)
    5. 実績報告書を提出し、審査を経て補助金が振り込まれる(出展から入金まで数カ月かかるのが一般的)

    特に見落としやすいのが、交付決定と支払い・出展の順番です。東京都の展示会出展助成事業は小間の申込(契約)、小規模事業者持続化補助金は出展の申込みであれば交付決定前でも構いませんが、請求書の発行・支払い・出展は交付決定後(東京都は助成対象期間内)でなければ対象になりません。堺市のように、事業の実施前に申請して交付決定を受ける必要がある制度もあります。展示会に申し込む前に、各制度の要領で「どの日付が基準か」を確認してください。

    併用できる制度

    制度の併用には、制度ごとに制限があります。たとえば小規模事業者持続化補助金は、国(国の補助金で事業を行う機関を含む)が出展料の一部を助成している展示会の出展費を補助対象外としているため、JETROのジャパン・パビリオンでの出展費(通訳料を含む展示会等出展費)は対象にできない可能性が高いです。東京都の展示会出展助成事業も、同じ展示会・経費について国や他の自治体などの助成を受けないことが要件です。同一の経費に複数の補助金・助成金を重ねて受け取ること(二重受給)も認められません。併用を考える場合は、申請前にそれぞれの事務局(商工会・商工会議所の窓口、公社など)に組み合わせが認められるかを確認し、回答を記録に残しておくと安心です。

    よくある失敗

    • 交付決定前に出展料の請求書を受け取ったり支払ったりしてしまう(多くの制度で対象経費から外れる)
    • 商工会議所への事業支援計画書の依頼を後回しにして、締切に間に合わない
    • 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金のような大型制度を「展示会費用だけ」を目的に申請し、事業計画の作り込み不足で不採択になる
    • 制度の対象経費(渡航費・通訳費・翻訳費など)の上限や按分ルールを確認せず、実費が全額補助されると誤解する
    • 前年度の情報のまま申請し、年度が変わって要件・上限額が変更されていたことに気づかない
    東京のビジネス街のスカイライン
    Photo: Kallerna / Wikimedia Commons (CC BY-SA 3.0)

    よくある質問

    Q. 補助金だけで海外展示会の出展費用を全額まかなえますか?
    A. 難しいケースが多いです。多くの制度は補助率1/2〜2/3で上限額もあります。小間料が全額助成される制度もありますが、渡航費などを含めると自己負担はほぼ残ります。またほとんどが精算払い(先に自社で立て替え)のため、出展前に資金を用意しておく必要があります。

    Q. JETROの出展支援を使えば補助金は不要ですか?
    A. JETROのジャパン・パビリオンは、中小企業向けの割安な出品料(基本装飾・備品などを含む)で出展できる仕組みで、出展者に現金を支給する補助金ではありません。通訳費・渡航費・輸送費は原則として自己負担です。なお、小規模事業者持続化補助金は国が出展料の一部を助成している展示会の出展費を対象外としているため、JETROのパビリオン出展と組み合わせる場合は、事前に事務局へ対象になるかを確認してください。

    Q. 申請から入金までどのくらいかかりますか?
    A. 制度によりますが、申請から交付決定までに1〜2カ月以上、出展・実績報告後の入金までさらに数カ月かかるのが一般的です。展示会の出展料の支払いには間に合わないため、自己資金またはつなぎ資金の準備が前提になります。

    Q. 個人事業主でも申請できますか?
    A. 小規模事業者持続化補助金や東京都の展示会出展助成事業は個人事業者も対象に含まれます。経済産業省の資料では、新規輸出1万者支援プログラムの対象として中堅・中小企業、小規模事業者とともに個人事業主も挙げられています。制度ごとの対象者要件を個別に確認してください。

    Q. 自社の本店所在地の自治体の制度しか使えませんか?
    A. 自治体の助成金・補助金は、その自治体に本店・支店や事業所があることを要件にしている制度がほとんどです。JETROの支援や、小規模事業者持続化補助金・新事業進出・ものづくり商業サービス補助金といった国の補助金は、全国の事業者が対象です。

    Q. IFE 2027・SIGEP World 2027・SIGEP Asia 2027で使える制度はありますか?
    A. JETROの対象展示会は年度ごとに変わるため、JETRO公式サイトの展示会情報で確認してください。東京都の展示会出展助成事業は海外展示会も対象で、SIGEP World 2027で使う場合は第7回(2026年10月1日〜14日)が最後の申請機会です。小規模事業者持続化補助金の第20回は交付決定が2027年春以降の見込みのため、2027年春までに出展料を支払う展示会には使いにくい点に注意してください。

    Q. SIGEP Asia 2027で東京都の展示会出展助成事業は使えますか?
    A. SIGEP Asia 2027(2027年7月14日〜16日)は、2026年度の第7回〜第10回のどの回で申請しても出展可能期間に入ります。ただし同一年度の申請は1事業者につき1件までで、出展と支払いは交付決定後の助成対象期間内に行う必要があります。申請要件(経営分析報告書など)は要項で確認してください。

    関連展示会への出展をご検討の方へ

    我々は、IFE 2027(英国)・SIGEP World 2027(イタリア)・SIGEP Asia 2027・Vietfood & Beverage 2027(ベトナム)の出展取次ぎを行っています。

    補助金・助成金の活用を前提にした出展費用の見積もりや、申請スケジュールに合わせた出展プランのご相談も承っています。

    なお、東京都の展示会出展助成事業では海外展示会の小間料について主催者が認める代理店経由の申込・支払いも対象とされており、当窓口経由の申込もこれに当たります(助成の可否は公社の審査によります)。各展示会の資料請求ページ、またはお問い合わせフォームからご連絡ください。

    そのほかの海外食品展示会(Gulfood(中東・ドバイ)・SIAL Paris(フランス))の情報もご覧いただけます。

    主な情報源

    本記事は上記の各種公開情報をもとに作成しています(2026年10月1日確認)。制度内容・補助率・上限額・締切は年度ごとに変更されるため、実際に申請する際は必ず各制度の公式サイトで最新の公募要領をご確認ください。

    執筆・監修:株式会社すけっと(山澤)・合同会社International Linkage(竹生)

    ※本記事で紹介した補助金・助成金の制度内容・補助率・上限額・締切は年度ごとに変更されます(2026年10月1日確認)。実際に申請する際は、必ずJETRO・中小企業庁・各自治体・商工会議所の公式サイトで最新の公募要領をご確認ください。